皮膚がんの初期症状と種類|湿疹やかゆみとの違い・見分け方も解説
目次
皮膚がんとは?
皮膚がんとは、皮膚にある細胞が異常に増殖することで発生する悪性腫瘍のことを指します。日本でも患者数が増加傾向にあり、早期発見と適切な治療が重視される疾患の一つです。
皮膚がんにはいくつかのタイプがありますが、主に以下の3つが代表的です。
基底細胞がん(BCC:Basal Cell Carcinoma)
最も多く見られる皮膚がんです。主に顔や首など紫外線にさらされやすい部位に発生し、ゆっくりと進行するのが特徴です。転移は稀ですが、局所での浸潤によって周囲の組織にダメージを与えることがあります。
有棘細胞がん(SCC:Squamous Cell Carcinoma)
基底細胞がんに次いで多い皮膚がんで、こちらも日光にさらされる部位に多く発生します。転移リスクはBCCより高く、特に進行が早い場合は注意が必要です。
悪性黒色腫(メラノーマ:Melanoma)
皮膚がんの中で最も悪性度が高く、進行すると他の臓器へ転移しやすいタイプです。メラニンを作る色素細胞から発生し、既存のほくろから生じることもありますが、正常な皮膚に突然現れることもあります。早期の診断・治療が極めて重要です。
主な原因は「紫外線によるDNA損傷」
皮膚がんの主な原因は、紫外線(UV)によって皮膚細胞が異常な変化を起こすこととされています。特に、日焼けの習慣がある方や日焼けマシンを使用していた方はリスクが高まるため注意が必要です。
また、以下のような要因もリスクを高めるとされています。
- ・家族歴(遺伝的要因)
- ・高齢
- ・免疫力の低下
- ・放射線治療歴
- ・特定の化学物質への曝露
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要注意!ほくろと間違えやすい皮膚がんの特徴と早期発見のポイント
乳房外パジェット病(EMPD)も皮膚がんの一種です
皮膚がんには複数のタイプがあり、その中には比較的まれなものも存在します。
乳房外パジェット病(Extramammary Paget’s Disease:EMPD)もそのひとつで、皮膚の腺細胞から発生する特殊な皮膚がんです。
主な特徴と発症部位
- ・発生しやすい部位:外陰部、肛門まわり、腋の下などアポクリン腺が多い部分
- ・症状:赤み・かゆみ・湿疹に似た皮膚の変化が見られ、一見すると皮膚炎や湿疹と見間違えられることが多いのが特徴です
- ・進行の特徴:初期には非浸潤性(表皮内にとどまる)であることが多いものの、放置すると浸潤性に進行し、リンパ節や他臓器への転移のリスクも出てきます
乳房外パジェット病は皮膚表面に長期間続く異常やかゆみとして現れることが多く、自己判断や一般的な皮膚科治療で見逃されやすい傾向にあります。正確な診断には病理検査が必要です。
放置すべきでない前がん病変
「がんになる前の状態(前がん病変)」として知られる皮膚病変も存在します。
特に以下の2つは、放置すると扁平上皮がんなどへの進行リスクがあるため、早期の発見と対応が重要です。
日光角化症(Actinic Keratosis)
日光角化症は、長年にわたる紫外線(UV)の蓄積により生じる皮膚の慢性的ダメージによって発生する前がん病変です。
主な特徴と症状
- ・症状:赤みや褐色がかったざらついた斑点。表面に鱗屑(うろこ状の皮むけ)やかさぶたが見られることが多く、「乾燥肌かな」と見過ごされやすい傾向があります。
- ・発生しやすい部位:顔、手の甲、頭皮、首など、日光にさらされやすい部位
- ・リスク:放置すると扁平上皮がんに進行する可能性があります。
ボーエン病(Bowen’s Disease)
ボーエン病は「扁平上皮がん in situ(上皮内がん)」とも呼ばれ、がん細胞がまだ皮膚の表面(表皮)にとどまっている段階の皮膚がんです。早期であれば完治が期待できますが、進行すると真皮や他組織に浸潤するリスクがあります。
主な特徴と症状
- ・症状:1つの明瞭な紅斑(赤い斑点)が持続し、表面にかさつき・鱗屑が付着していることが多いです。
- ・発生しやすい部位:手足、顔、背中など、紫外線を浴びやすい部位
- ・好発年齢・人種:中高年以降の白人に多く見られますが、日本でも報告されています。
主な原因とリスク因子
- ・紫外線曝露:もっとも一般的な原因
- ・免疫抑制:臓器移植後や免疫不全のある方は発症リスクが上昇
- ・HPV感染:特にHPV16型との関連が示唆されています
皮膚がんの初期症状とは?見逃してはいけない変化
皮膚がんは、早期に発見することで治療の選択肢が広がり、予後の改善にもつながります。以下のような皮膚の変化に気づいた際は、早めの受診をおすすめします。
症状の種類 | 具体的な変化・注意点 |
ほくろや皮膚の変化 |
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色のムラや変化 |
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大きさの変化 |
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かゆみや出血 |
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治りにくいかさぶた・潰瘍 |
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これらの症状は、基底細胞がん・有棘細胞がん・悪性黒色腫(メラノーマ)など、皮膚がんや前がん病変の種類によっても異なります。小さな変化を見逃さず、早期に専門医へ相談することが、最善の治療につながります。
皮膚がんのかゆみと湿疹のかゆみ、その違いとは?
皮膚にかゆみがあると、多くの方はまず「乾燥や湿疹かな?」と考えるかもしれません。しかし、皮膚がんの初期症状として“かゆみ”が現れる場合もあります。ここでは、皮膚がんに伴うかゆみと、通常の湿疹によるかゆみの違いについて解説します。
皮膚がんにみられるかゆみの特徴
皮膚がん、特に悪性黒色腫(メラノーマ)や有棘細胞がん(SCC)などが進行すると、周囲の組織を刺激し、慢性的なかゆみを引き起こすことがあります。
- ・かゆみが持続的に続く
- ・潰瘍・出血・しこりなど他の異常も伴う
- ・掻いても改善しない、または悪化する
このようなかゆみは、がん細胞による炎症反応や腫瘍の圧迫が原因とされており、皮膚の内部からくるかゆみである点が特徴です。
湿疹(アトピー性皮膚炎など)のかゆみの特徴
一方で、湿疹やアレルギー性皮膚炎によるかゆみは、皮膚のバリア機能低下やアレルゲンの刺激によって発症します。
- ・発作的に強くかゆくなる
- ・赤み・腫れ・乾燥・かさぶたを伴う
- ・掻くことで一時的にかゆみが和らぐ場合もあるが、悪化することも多い
多くの場合、日常生活やストレス、季節の変化などの影響で繰り返しやすいのも湿疹の特徴です。
皮膚がんのかゆみと湿疹のかゆみの違い
比較項目 | 皮膚がんによるかゆみ | 湿疹によるかゆみ |
かゆみの性質 | 持続的に続く | 発作的に強く出ることが多い |
伴う症状 | 潰瘍、出血、しこり、色の異常などの皮膚変化が見られることが多い | 赤み、腫れ、乾燥、かさぶたなどが主な症状 |
原因 | がん細胞の浸潤や炎症による | アレルギーや皮膚バリア機能の低下などによる |
掻いた時の反応 | 掻いても改善せず悪化することが多い | 掻いて一時的に楽になることもあるが、悪化することもある |
🚨かゆみが長引くときは医療機関へ
「乾燥かな?」「湿疹かな?」と思っていても、いつまでも治らない、違和感がある、他の皮膚の異常もあるという場合は、早めに皮膚科や専門医の診察を受けることが大切です。
皮膚がんは早期に発見・治療すれば十分にコントロールできる病気です。自己判断せず、皮膚の変化やかゆみが続く場合はご相談ください。
GENEクリニックでは、不安な症状がある方に向けた丁寧な診察と、先端技術を活用したがん検査・治療をご提供しています。
🔍症状チェックに迷ったら、まずは以下をご確認ください
- ・かゆみが長引いている(2週間以上)
- ・ほくろやシミの色がまだらになった・形が変わった
- ・潰瘍やかさぶたがなかなか治らない
- ・出血しやすい、じゅくじゅくしている皮膚病変がある
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GENEクリニックの次世代の検査・治療
当院では、一般的な視診・触診だけでなく、以下のような精度の高い先進検査や自由診療による治療も取り扱っています。
マイクロCTC検査(血液がんリスク検査)
- ・採血のみで全身のがんリスクを可視化
- ・わずか10ccの血液からがん細胞(CTC)を検出
- ・画像診断よりも超早期のがん発見・再発リスクの把握に対応
- ・がんリスク管理や治療効果および予防的な検査としても人気
治療(身体に優しい自由診療の選択肢)
がん抑制タンパク治療
遺伝子変異によって機能しなくなったがん抑制タンパク(例:p53,p16,PTEN)やがん細胞を増殖させる遺伝子を抑制するタンパク(MDM2,KRAS)を補い、がん細胞を死滅させたり増殖を抑える次世代の治療。
6種複合免疫療法
患者自身の免疫細胞を6種同時に培養して活性化。副作用が少なく、再発予防にも対応。
がん光免疫療法
光感受性物質と特定波長の光でがん細胞のみを攻撃。正常細胞へのダメージが少なく、効果が期待できます。
これらの治療は、標準治療が難しい方、副作用が心配な方、再発リスクを減らしたい方にも選ばれています。
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